国画会が運営する日本最大級の公募展。

第95回国展工芸部  初入選者の声

第95回国展工芸部  初入選者の声

第95回国展に出品された初入選の方々にご連絡させていただき、ご返答戴きましたコメントをお知らせいたします。

項目として以下の事にお答え戴きました。

○なぜ国展に出品しましたか?
○制作の原動力になるものは?
○10年後、どうありたいとお考えですか?
○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか?

今回コメントを寄せていただきました初入選の方々に御礼申し上げます。
(敬称略)(撮影:乾 剛)



彩流
37✕472

(織)上原悠加

○なぜ国展に出品しましたか?

以前より出品されている作品をみていて、自分も挑戦してみたいと思ったからです。

○制作の原動力となるものは?

絣をつくることが好きで、織物をつくりたいという気持ちと、それを支えてくれる家族です。

○10年後、どうありたいとお考えですか?

技術、構成力をあげながら少しづつでも制作をつづけられていたら良いなと思います。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか?

多様な作品が出品されていて自由なイメージです。


白い太陽
119✕214

(織)大友紀子

○なぜ国展に出品しましたか?

国展は興味ある展覧会でしたので、いつも楽しみでした。特に染織をしている私にとっては工芸の染織作品は、とても参考になります。他の展覧会に比べるとテクニックやデザインがすばらしいと感じます。このようなことから応募してみようと思いました。

○制作の原動力となるものは?

40年近く、織をしていますので、生活の一部です。

○10年後、どうありたいとお考えですか
10年後はわかりませんが、日々、頭を刺激していきたいと思います。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

ゆとりある選択をされていると思います。


水鏡

(織)奥津玲子

○なぜ国展に出品しましたか?

毎年国展会場には足を運び、感動しながら拝見させていただきました。今回は先生の勧めがあり、出品いたしました。

○制作の原動力となるものは?

織という作業の中で考えていた以上の美しさに出会った時さらに次の展開が見たいとの思いで作り続けております。

○10年後、どうありたいとお考えですか

1人よがりではなく、何か感動していただける物作りを続けていられたら、と思います。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

高い技術力を根底に独創的且つ洗練された美の世界を作り上げているという印象です。


tulp

(織)小名木絵千翔

○なぜ国展に出品しましたか?

小さな頃から毎年国展を観ていました。今、自分も物づくりをするようになり、歴史ある国展に出品することは昔からの憧れでしたので今年は思い切って挑戦してみました。

○制作の原動力となるものは?

染織を始めてまだまだ未熟ではありますが、一枚の布になるまでの1つ1つの行程がとても楽しく、模様が出てきた時は特にわくわくします。自分の作品を沢山の方に見て頂けることを夢に毎日作品づくりをしています。

○10年後、どうありたいとお考えですか

沢山の素晴らしい作品や物に触れ、吸収し、自分らしく唯一無二な作品をつくれるようになりたいと思っています。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

国展で拝見する作品は、伝統ある素晴らしい作品であり、文化を守りながらも新しい斬新なデザインもあるイメージです。


藤花結編素編組籠
31×24.5×31

(藤細工)川口淳平

○なぜ国展に出品しましたか?

10数年前から籐籠の製作をしております。
島根県松江市の江戸時代から続く籐籠屋の6代目長崎誠氏に弟子入りをして、口伝で伝わる花結び編みを教えて頂きました。
教えて頂いた花結び編みを多くの方に見て頂く機会になればと思い、国展に出品させて頂きました。

○制作の原動力となるものは?

・こんな籠があったらどうか
・こんな籠が出来るのではないか
・こんな籠が作って見たい
など制作の動機が色々あります。

○10年後、どうありたいとお考えですか

10年後は現在考案している新しい籠が形になっていると嬉しいです。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

大きく広い視野で作品をご覧頂ける集まりだと思っております。


「喜び」
120×466

(染)神津真梨乃

○なぜ国展に出品しましたか?

お世話になった先生方に勧めていただき、自分自身もチャレンジをしたいと思ったからです。

○制作の原動力となるものは?

植物の美しい造形を見たときの感動や、作品ができたときの達成感が原動力です。

○10年後、どうありたいとお考えですか

植物の美しさや魅力がもっと伝わるような表現ができるようになっていたいです。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか?

伝統的な技術の良さと、新しい感性の良さの両方を感じることができる印象です


allegro(快活なリズムで)

(織)杉本早苗

○なぜ国展に出品しましたか?

自分が「好きだな」「いいな」と思い作ってきたものが、他の人からどのように思われるのかを知りたくなったのが理由です。

○制作の原動力となるものは?

単純に、自分が「いいな」と感じるものを作りたいというのがひとつです。
もうひとつは、古代に作られた物が持っている「霊性」(霊的な力)に近づきたいと思ってきたことがあります。
古代の物はなぜ霊性があるのか、現代でもそうした力を持つものを作ることはできないのだろうか、と考えています。

○10年後、どうありたいとお考えですか
わかりません。それが正直なところです。可能ならば、10 年後も染めたり、織ったりしていたい。
そして、今よりもよいものを作っていたいですが。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか?

工芸というと、伝統技術を守り進化させていく伝統工芸、民衆のための(名がなくとも美しい)民芸がありますが、
国画会工芸部は、その2つと異なり、現代的な工芸を提案する処という印象です。
それと、美術、芸術を生業とする方(美術系の学校を卒業して、続けてこられた方)のいる場所という印象もあります。



初恋
53✕242

(織)宋英朱

○なぜ国展に出品しましたか?

大学時代にお世話になった先生が国展に出展されていた作品を会場で拝見し、非常に感銘を受け、それ以来、国展には憧れをもっていました。
卒業後、製作活動から一度離れていましたが、作家としての歩みを再び始めることを決意し、国展に挑戦する事を決めました。

○制作の原動力となるものは?

過去の自分の表現に執われることなく、新たなる表現の可能性を探求したいという欲求が、制作の原動力となっています。

○10年後、どうありたいとお考えですか

年を重ねても感性の柔軟性を保ち、新たな創作を生みだしながらも、熟練した作家でありたいと思います。
時代を生きる一人として、現代の美を追求していきたいと思います。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

長い歴史を持ち、伝統を守りながらも、常に現代の感覚を追求しながら発展し続けている印象を持っています。


捩り織り飾り布
72.5✕262

(織)中井隆子

○なぜ国展に出品しましたか?

指導受ける先生の紹介

○制作の原動力となるものは?

日々の暮らしで目や耳にする物事、そこで感じる思いを自分が納得する形に近づけたい


空に舞う
着尺

(織)西川知余

○なぜ国展に出品しましたか?

染織を始めた頃から尊敬している先輩が国展で活躍されており、ずっと憧れの場所でした。
自分の作品も同じ空間に並ぶことを願い、今回初めて挑戦しました。

○制作の原動力となるものは?

糸から布を織りだすことが楽しくてたまりません。
そして織り上がった布を見るたび、次はもっと、次はもっとという気持ちが沸き上がり、それが原動力となっています。

○10年後、どうありたいとお考えですか

自分らしい表現の仕方を見つけ、思い描いたイメージをうまく形にできるように挑戦し続けていたいです。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

伝統ある会でありつつも、作り手の個性を大切にされ、常に新しい空気が流れているように感じます。


色釉扁壺「屹立」
40×48×13

(陶)布川 穰

○なぜ国展に出品しましたか?

陶芸をはじめて20年、自分の存在証明を形として残したいとのおもいから、彫刻を出品する知人の勧めもあり応募しました。国展は伝統があること、展示会場がすばらしいこと、自分の作風に合っていることなど。

○制作の原動力となるものは?

陶芸仲間との切磋琢磨の中で、作品の発表、講評などでよりよいものを作る向上心が支えになっています。

○10年後、どうありたいとお考えですか

健康を維持し、フレッシュな作品を創り続けたい。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

搬入、搬出時にお会いした委員の方々にあたたかく迎えていただき、とても良い雰囲気を感じました。


flower garden

(染)羽毛田操

○なぜ国展に出品しましたか?

作品を作る上で、国展に出品する事がモチベーションとなっており、一番の目標なので。

○制作の原動力となるものは?

居住地の長野県は、四季の移り変わりが大変美しく、山や空や町の風景にしばし見とれる事も多いです。それが一番かな、と思います。

○10年後、どうありたいとお考えですか

健康で、作品を作り続けていられる事。
今より制作に時間が多く使えていれば、文句無しです。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

歴史があり工芸=国画会工芸部というイメージです。会員の方々が活躍されていらっしゃり、若い会員の方も多いと。


移りゆく日々
着尺

(織)山口敦子

・画像掲載のみとのお返事でした。


糸のキセキ

(織) 渡辺后子

○なぜ国展に出品しましたか?

以前、国展の作家さんの作品を雑誌で見て、感銘を受けました。その後、個展に伺いご本人とお会いすることができました。幸いにも師事を受け、そんな日々の中でプロの作品に触れ、国展に行ってはプロの作品に感動してきました。今回、背中を押してもらい、自分の入れる世界だとは思ってませんでしたがチャレンジのつもりで出品させていただきました。

○制作の原動力となるものは?

絹糸は何もしなくても、それだけで美しいです。それを染色し表情を変え、糸どうしが織り重なってできる糸での表現に魅了されてしまいました。そして、人が身に着け、立体的になっていく過程を楽しめるのが原動力であり、染織という表現を続けられていると思っています。

○10年後、どうありたいとお考えですか

まだまだ、技術的にも身につけなくてはいけないことが沢山ありますが、自分が感動した風景や思いを、作品に込め楽しんで続けられたらと思います。自分の作品を見て他の方が着てみたい、身に着けてみたいと思ってくれるような作品を思い浮かべつつ織り続けていけてたら良いですね。

○国画会工芸部に対してどのようなイメージをお持ちですか

様々な表現方法、手段、マテリアルがあると刺激になりました。生活の中で生きて使われるものに芸術性を見出しているのが工芸では。また歴史的にも錚々たる方々が自由な表現を重んじて創り上げてきた国画会なのだと思います。プロの方々の作品の中で、新しい後進にも門戸が開かれている、そんなイメージでしょうか。


     2022/07/13  工芸部入選作品


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