国画会が運営する日本最大級の公募展。

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神戸市立博物館 川西祐三郎展開催

会員: 中 西 茂 幸

 神戸出身、会員の木版画家・川西花三郎先生が、70年におよぶ作家活動から生まれた作品を、神戸市立博物館に寄贈されたのを受けて、同博物館は、2010年10月9日?11月23日まで、『川百花三郎展~版の軌跡~』を開催、華麗な外国風景、モダンな神戸風景、幻想的な日本風景など代表作154点が一堂に展示されました。

川西先生米寿お祝いの会(川西祐三郎先生:前列左から三人目)

川西先生米寿お祝いの会(川西祐三郎先生:前列左から三人目

 又、先の12回関西国展版画グループ展にて、川西祐三郎先生の「米寿」を、先生にはお知らせしない中、サプライズでお祝いをさせていただきました。先生はニコニコと笑って受けて下さいました。おめでとうございます、先生! 昨年度、関西では、これまで遠方と決め込んでいた鳥取県より、国展、関西国展への初出品があり、大変喜んでおるところです。これ迄も、グループ展等の開催を通して社会にアピールもしてきているのですが、これを機会に我々も座して出品者を待つだけでなく、より積極的に仲間を増やして行ければと考えております。     (大阪府高槻市在住)

 

創作版画の静岡、次世代発掘に動き

会員: 長谷川 安信

静岡は戦前から創作版画の盛んな地域で、昭和24年に県版画協会が設立されています。昨年の75回展では、若い年齢層に版画への関心を高めたいという願いから、新しい試みとして高校生の部が設けられ、又、静岡市の駿府博物館では、県在住の版画作家に焦点を当て、作品を通して現況と作家の仕事を紹介する目的で有望作家を招待して「県版画招待展21世紀展」を開催した。国展版面部から、昨年と今年とで7名の作家が招待されました。

 国展出品の静岡県の作家によって毎年開催している「国展静岡版画展」、昨年は版画部だけでなく、国展5部門合同展として「国展静岡2010展」を、県立美術館県民ギャラリーで9月に開催。版画部門では、会員、準会員、会友、一般合わせて20名が出品。    (静岡県磐田市在住)

 

ひとすじの道

会員:小 原 喜 夫

 

 1928年に平塚運一先生は版画講習の為に、愛知県知多半島の亀崎小学校へ出向いた。ここには半田高女の岩田覚太郎という熱心な絵の先生がいて以後6回の講習を行い、知多半島は版画教育の中心地といわれたという。私が28歳の時、この岩田先生から平塚先生直伝の本版画を習うことになるのである。先生から畦地梅太郎、前川千帆、武井武雄氏らの作品をみせて頂き木版画の美しさを知り、版画制作へひとすじの道が開けたように思いました。

異邦人 1976 小原喜夫

異邦人 1976 小原喜夫

それから22年の月日が流れ、70回記念国展懇親会会場の上野精養軒に、百歳の平塚先生が車椅子をサイトウ良氏に押されて現れたのでした。すでに歴史上の人になりつつあった氏の登場に私は大変驚きました。国画会の永年表彰を受けられるという。真っ赤なロシアの民族衣装の平塚先生は泰然として、まるで彫刻のようでした。式が終わり車椅子の先生を壇上から降ろす時、手伝った私の手が偶然平塚先生の腕に軽く触れてしまいました。一瞬、百年のパワーがビビーと伝わってきたような感じがしました。退場の時、千人近い人波で騒然とした会場が静まり、人々が空間をあけて巾1.5メートルくらいのひとすじの道が出来上がりました。それはあたかも、突如海が海底に一本の道が出現したモーゼの「十戒」の映画のワンシーンのようでもありました。その中を赤い平塚逐一先生は悠然として帰ってゆかれたのでした。 (三重県四日市市在住)

 

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