第95回国展版画部 初入選者の声
第95回国展に出品された初入選の方々にご連絡させていただき、ご返答戴きましたコメントをお知らせいたします。
項目として以下の事にお答え戴きました。
○なぜ国展に出品しましたか?
○制作の原動力になるものは?
○10年後、どうありたいとお考えですか
○国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
今回コメントを寄せていただきました初入選の方々に御礼申し上げます。(順不同、敬称略)
飯塚誠三(いいづかせいぞう)
○なぜ国展に出品されましたか?
10年前から展覧会を観ていましたが、版画を始めて15年経ち、一度公募してみたいと思っていました。
○制作の原動力となるものは?
どうしたら面白い作品が出来るのか、模索しつつ制作すること。
○10年後、どうありたいとお考えですか?
会友に成れればと思っています。
○国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
噂で版画部は充実していると聞き、実際に実感しました。また、版画部の仕上がりが素晴らしく見ごたえある様に思いました。
江頭みよ子(えがしらみよこ)
○なぜ国展に出品されましたか?
93回開催時に初めて版画部会場を訪れました。展示された多様な技法の作品に魅了されたこと。デジタル版画という技法があることを始めて知り、写真表現とは違う作品が作れるのではないかと思いました。何よりも版画部の広い会場に自分の作品が飾られたら最高だろうと思いました。
○制作の原動力となるものは?
40数年来の趣味のパソコンが道具として使えること。
○10年後、どうありたいとお考えですか?
これからも1年1年目標を持って楽しみながら作品作りを続けられたら、10年後も元気な自分に会えるかなと期待します。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
会場、作品、展示方法等から、自由な開かれた世界を感じます。
風祭裕造(かざまつりゆうぞう)
〇なぜ国展に出品されましたか?
作品が完成した時に作品サイズに合う公募展をHPにて発見したため、何も知識はありませんでした。
〇制作の原動力となるものは?
建築士の仕事柄いろんなところで版画等を拝見できる機会があり、興味を持ち始めました。最初の対面は小野木学、あのブルーと切れ味、風景シリーズ、いつかはこういった作品を手元に置きたいと思っていました。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
版画家として、誰かに銅版画の良さを届けたい。まだまだ学ぶことが多いので1歩1歩確かな作品を年ごとに制作していきたいと。自分の手ごたえを確かめるために公募展にトライすると思います。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
当初は何も知らずに応募しました。新しい画集を拝見させていただき、会員・準会員の作品にはびっくりしています。早く美術館にて実物を見たいもので、自分の作品が皆様の中でどのように見えるか楽しみたいと思います。
西尾修一(にしおしゅういち)
〇なぜ国展に出品されましたか?
メゾチントを中心に制作しています。今まではグループ展等に参加していましたが、公募展に出品することを決めました。その中でも歴史もあり著名作家を輩出されている総合芸術の公募展「国展」に魅力を感じ、その中で自分の作品がどう評価されるのかを知りたくなり出品しました。
〇制作の原動力となるものは?
銅版画には失敗、失敗の連続です。なかなか思うようにいかないと思えばなんとうまくいったのかと、「必然と偶然」の繰り返しですが、その中で唯一無二の事を探すことが大変おもしろい。自分の技術を磨き、何が出来るのか、何が出来ないのか発見することが原動力になっています。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
生涯現役を人生の糧としています。今までの仕事、広告制作は年齢とともに減少しています。新たな何かを探している中で銅版画、特にメゾチントに出会いました。精神的、肉体的に健康であり続ける限り、新しい発見をし、制作を継続したいと考えます。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
今回初めての出品参加で、既成概念は有りません。ホームページ等を拝見すると、近代日本芸術(美術)の先駆者が活躍した会で、その中に一歩踏み入れたことは、私の名誉であります。非常に権威ある団体だからこそ、時代時代に合った組織に変化し続けることが大切だと思います。
松田敏男(まつだとしお)
〇なぜ国展に出品されましたか?
長い間公募展には応募しないで個展での発表のみで活動してきました。昨秋70年住み慣れた地を離れ新天地での記念として、独立した版画部のある国展に出品いたしました。
〇制作の原動力となるものは?
転居は山に、それも高い山に囲まれた場所に住んで、大好きな山のそばで暮らしたいという気持ちの実現で、山の気が体に染みる心を表現したいと考え続けています。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
高田三郎の合唱組曲の中の「山が」という吉野弘の詩の、“♪山が遠くから人の心をとりこにする/人がその心をさがしにゆく/それで身体ごととりこになる″ の世界を絵画で実現したいです。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
展覧会会期前後の郵便物の対応の迅速さと誠実さにおおいに感心いたしました。またこのような初入選者への対応にも。搬出時の講評いただいた内容を忘れずに今後に生かしていくつもりです。図録3冊はもったいないので1冊にして出品料を少しでも安く、の方がいいですね。
鷲塚昌子(わしずかまさこ)
〇なぜ国展に出品されましたか?
2019年「國井デジタルアート塾」で初めてデジタルアートを学び驚きました。様々な手法と言うか技法を使い作品を作り上げる方法を先生から学びました。その過程で「国展」の公募がありますと、先生から伺いました。公募の応募は東大受験よりも「ハードルが高い」と自分に言い聞かせて作品作りをしました。
〇制作の原動力となるものは?
「國井デジタルアート塾」で作品の講評を受け、ダメだしや修正や手法などを國井先生の熱意ある細かい指導は有難く、特にワンパスOKが出たときはうれしいです。塾に参加されている皆様の作品を見るのも参考になります。
様々なアドバイスを受け作品が仕上がったときがうれしく、次のテーマは何にしようかと考える時でしょうか。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
自分の持っている技術力や表現力を10年かけて作品を磨き上げたいと思っています。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
版画と言うと木版とかシルクスクリーン、銅版画等々のイメージでしかありませんでした。デジタルアートはあまり認知されていませんでしたから「国画会」で公に仲間入り出来たことは喜ばしいことです。権威ある会だと思います。
2020年、2021年と国展が中止となり一度も展示されていませんのであまりよくわかりません。
乾繁春(いぬいしげはる)
〇なぜ国展に出品されましたか?
油彩画を長年描き続けています。随分以前から版画に関心があります。古い歴史のある国展を拝見する度に研究できればと思い出品を致しました。コロナ禍により作品展が中止になりとても残念です。
〇制作の原動力となるものは?
プレスによる色彩の美しさは筆で塗る着色の行為と異なった発色感が新鮮です。現在のつたない作品から進化したい思いです。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
今の年齢で言えば絵空事のようですが、独創的新しい何かを見つけて作品の具現化です。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
国画の作品群には幅広い豊かな個性派集団を感じます。技法の主張にとどまらず絵画的な自由な研究者のイメージです。
遠藤己喜雄(えんどうみきお)
〇なぜ国展に出品されましたか?
先生(吉田志麻)と教室の先輩方が国展に出品していましたし、自分の作品が中央の美術展でどう評価されるかと思い出品しました。
〇制作の原動力となるものは?
彫って、摺りあげる版画の魅力にとりつかれ、自分の周辺には里山の自然な風景があり、四季の移ろいをとおしてのものを作品にしていきたい。自分にしか出来ない表現で作品にしたい。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
伝統文化を学びながら、日々の生活を大切にし、制作しながら反省を繰り返し、自分の表現を追求したい。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
個性を重視し多様化する表現様式と新しい世代にも呼応する精神。おのおの自由な表現で作品としている。良いものは良いと認めてくれる組織です。
岡島章子(おかじまあきこ)
〇なぜ国展に出品されましたか?
2017年に日本版画協会に初入選致しまして、東京都美術館で自分の作品が見られたのは、札幌に住む私にとって、大きな喜びでした。次は、国立新美術館で、自分の作品を見たいと思いました。2020年に国展に応募する事を夢見ていましたが、コロナのためにかなわず。ですから、今回初出品の初入選は本当に嬉しかったです。国立新美術館で自分の作品を見ることは、かないませんでしたが、来年の糧にしたいと思っております。
〇制作の原動力となるものは?
日々の感動です。例えコロナ禍で旅行に行けなくても、厳しい冬を超し、春になって芽生える我が庭の植物の数々、鳥のさえずり、同じ姿を決して見せる事のない空の雲。命の芽生え、命の終わり。そうして日常の魂を揺さぶる感動が、制作の原動力です。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
版画制作は体力のいる仕事です。現在と同じペースでは、作品を作り続けられないかもしれません。なんとか体力をつけて、制作を続けて行きたいと思っております。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
大きな木版画の出品が多いというイメージです。
鶴谷清逸(つるやせいいつ)
〇なぜ国展に出品されましたか?
きっかけは、コロナ禍からです。グループで制作拠点としていた教室が閉鎖となり、作品制作発表の場が無くなりました。今年の年頭に制作した作品の発表の場として国展の公募を知り応募しました。国展で私の作品の表現・技法がどのように評価されるかが楽しみでもあり、また会場でしばらく会うことのできなかった会員の方に会うことができるのではないかとの思いから出品しました。しかし直前に展示が中止になり残念です。
〇制作の原動力となるものは?
ポスター作りでシルクスクリーンを知り、独学で年賀状を作って来たが、東京国際版画ビエンナーレ展を見て、版画表現の広大さに触れた。それで岡部徳三氏に基本から学び直し、版画制作を始めた。長期の母の介護もあり、版画制作に時間が取れなかったが、最近になり、新しい表現を始めた。新しいものに対する好奇心・挑戦。これが長年制作を続けた原動力になっていると思う。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
超後期高齢者、体力、気力が続く限り作品作ることを願っています。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
80年頃より、恩師が彫刻部に出品していて、毎年見る機会があり、その際、版画部も見ていたので、なじみのある会であった。
抽象的な版画が多い、作品が大型であるとの印象と共に、版画のいろいろな表現、手法の幅広い作品を受け入れているというイメージである。最近では、新しい試み、新しい感性を積極的に評価している姿勢が感じられます。
松元哲(まつもとさとし)
〇なぜ国展に出品されましたか?
知り合いが出品していた事と、指導の先生のすすめがあったので。自分の絵がどれほどなのか国展の会場の中に置いて確認したかった。
〇制作の原動力となるものは?
木版画は不自由な表現だと思います。それだけに制約の多いなかでどれだけ作れるか、そこがおもしろさだと思います。
〇10年後、どうありたいとお考えですか?
日々制作していく事で、5年先10年先に「うまくなった」と思う作品が出来たらいうことありません。
〇国画会版画部に対してどのようなイメージをお持ちですか?
2021/07/06 お知らせ|