絵画部 会員インタビュー
第6回 神奈川・山口 2008.02
北海道~沖縄までの会員・準会員のインタビューとご紹介
就職難だったあの頃、成城の東宝撮影所で舞台助監督の募集をしていると聞き、島田章三、林 啓二(現独立美術会員)両氏と私と3人で受験したことがあった。前日私のアトリエでごろ寝して出ていった。しかし結果は全員不合格。しかしこれが将来にどうつながったか、今になってみると、合格していたらどうだったか。
国画会の会則には「伝統と歴史的な歩みのうえに各自の作品傾向を尊重し・・・・・」とある。つまり画風は「自由」なのである。一つの傾向にとらわれないいのがこの美術団体の持ちあじなのである。現在もその精神は変わっていない。
第二次大戦の1年を休みにしたものの、国展は創立82年になる。会員・準会員の数は当時の数倍になっている。そして、それなりに活気が出ているのが国展である。一般出品者も新しい世界を創ってくれて、これからのこの美術団体の良い将来をみたいものである。
国画会 絵画部会員 井上 悟
私は山口県周南市という一地方で制作しています。国画会には早いもので初出品からちょうど15年になりました。
近年、団体展離れが言われていますが、地方で制作する場合はこの団体展に出品することはとてもいい勉強と刺激になると実感しています。団体展の功罪はいろいろあると思います。また、制作は個であるのは当然のことですが、ややもすると独りよがりや自己満足に陥りやすい中で、5年10年という長いスパンで、たくさんの目で見、批評していただけることは幸せなことだと思います。
そういう中から次への自分の課題を見つけ、次年度にその成果を問う。その人のこれまでの展開がわかった上での評は自分の成長にはかけがえのないものだと感じています。
地方だと地理的、経済的、時間的にも考えることは多いと思いますが挑戦してみることで一歩新しい展開になっていくことは確実だと思います。
また国画会ではそれぞれの個展はもちろん、グループ展の開催も盛んで、それぞれが各自の実験の場として刺激し合い発表を重ねています。これも地方では経験することのできない事で、客観的な目も養いつつ自分の世界を構築していくということも大切だろうと考えます。
前回81回国展より国立新美術館での開催になり、より活気溢れる国画会に地方からの新しい出品者が増えることを期待しています。
その為には私自身も国画会の歴史に恥じないよう地に足を着けた意欲的な制作をしなければならないと身を引き締めています。
国画会 絵画部会員 石丸康生
2020/05/12 絵画部・会員インタビュー|