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異文化理解と絵画
国画会 絵画部会員 佐々木 良三
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ここ数年、モチーフとして興味をもつようになったのは、ものの「形」あるいは「シルエット」です。そもそものきっかけは、作品のエスキースの段階で、人物の写真をコンピュータ処理して線画にしてみたら、人間の生々しさのようなものが消えて、形そのものの美しさが出現したような気がしたことです。国画に出品させていただいた作品にはやぎ、羊、象など、動物のシルエットを使用しましたが、最近はすいかなども試してみました。なんとなく、モチーフとして命のあるものを選んでしまうのは、何か魂のようなものを抜き、新たな命を与える作業をしているような感覚が楽しいと感じるからかも知れません。
私の作品の「シルエット」は様々なものが密集することで出現します。様々なカケラのようなものや、箱、風景、日用品、生き物等を密集させます。やがて、シルエットの出現により、密集した要素一つひとつの意味が薄れます。それもまた、人物を線画にした時に起きた現象ととても似ているような気がします。シルエットはものの密集により生まれますが、密集には疎密ができます。空白や輪郭の欠けのある部分は作品を見た時に意識の中で補完されます。そのような感じで、目で見ると同時にイメージでも見ていただければと思って制作しています。 現在は来年の国展に向けての作品制作を行っています。動物等のシルエットでない、別のモチーフでの表現を模索中です。自分の作風を常に新しくし、自分が自分に飽きないようにしていかなければならないと最近はよく考えます。
国画会 絵画部準会員 山岡美佐子
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