2007.8.16 更新
絵画部トピックス


受 賞

2007年 真野岩夫会員が長年の功績にたいして「瑞宝中綬章」を叙勲致しました。おめでとうございます。


第12回国画会絵画部スケッチ旅行会報告 群馬

萩原敏孝会員 報告
  スケッチを終えたばかりの作品が部屋中に並んだのを見てほっとしました。前日下見を兼ねてスケッチした際にふと考えたことは、多くの作家たちの目が伊香保の町をどのように捉えるのかという期待と、この場所で十分なのかという不安でした。

   紅葉が三割程度、山の傾斜地を利用した街並み、高台から眺めた榛名山等、ここからどのような作品が生まれるのか・・・。並んだ作品は、紅葉の黄色を中心に台地の広がり、空の奥行き、モノトーンの豪快でリズミカルな表現、山の稜線で画面分割し山肌と山荘を平面的に描写、柔らかで繊細なタッチの心象風景、落ち葉やコケをコラージュした抽象。そのほかにも多くの素晴らしい作品が出来上がっていました。講評は真剣な中に、お笑いや自己弁解などを交えて進みました。講評中に町田先生は緊張感をほぐすためのジョークを飛ばし続けていました。終了後、狭い二次会会場に全員が集まり、今後の国画会という重大なテーマについて意見交換がなされました。そのような中でもM先生のジョークは鋭さを増して効果的?でした。

 翌日数名の方と美術館に行きました。趣向の違う場所であったので、地元が見知らぬ地に変貌した感覚を覚えました。
 

今回のスケッチ会は、多くの人に支えられて無事終了することが出来ました。自然の美しさが、所々に見受けられた伊香保で、国画会の(山頭火のような増地先生を始め御多忙の中、また体調が悪いにもかかわらず参加された)方々のパフォーマンスは、観光客の方々に驚きと喜びを与えたと思います。   
以上


第11回国画会絵画部スケッチ旅行会報告

ー 「浪漫の時を求めて」(博物館・明治村)ー
  第11回スケッチ旅行会は、10月29日〜30日、愛知県の「博物館・明治村」において開催されました。明治村は、自然豊かな広大な敷地に、明治時代の重要文化財を含む67の建造物を移築、家具や調度品も当時の物を備えて公開している野外博物館です。帝国ホテル中央玄関、札幌電話交換局、京都聖ヨハネ教会堂、森鴎外と夏目漱石の両文豪が数々の名作を残した由緒ある住宅などの歴史的建造物が配置され、文明開化を彷彿とさせる雰囲気の中でカフェや食事を楽しんだり、SLや馬車、市電など当時の乗り物も体験できるなど、明治文化を存分に実感できるテーマパークでもあります。
   参加者は28名、昼前に宿泊所である「サンパーク犬山」に集合、あいにくの雨模様の中をマイクロバスで明治村に向かいました。園内では、ボンネットバスや徒歩で思い思いに描く場所を求めましたが、エキゾチックな建物あり、純和風の木造建築あり、美しい苑路や庭園など、スケッチの題材が豊富なため、色々と目移りされたのではないでしょうか。建物の中や軒を利用して雨中のスケッチはあっという間に過ぎて、帰路の車中には夕焼け空が広がっていました。
 懇親会では、島田章三会員から挨拶をいただき、宮下実会員からスケッチ会の成り立ちをお聞きし、星兼雄会員の乾杯で会食となりました。加藤茂外次会員のギター、岡本増吉、黒田皇、小西雅也準会員による生演奏で宴会も盛り上がり、アンコールの合唱で最高潮に達しました。その後、ホテルの会議室で合評会を行い、一人ずつ個性的なスケッチを披露しましたが、これまでのスケッチ会でも定評のある増地保男会員の力作には、一同感嘆の声があがりました。
 さらに質疑応答がなされるなか、新国立美術館の話も出て、和やかでありながらも意義のあるひとときを過ごしました。その後、各部屋に分かれて二次会と相成りました。

   翌朝は一転快晴。朝食後は現地解散でしたが、希望者は国宝の犬山城や茶室如庵を訪れ、時代を超えた日本美を堪能しました。
 今回のスケッチ旅行会では、明治浪漫を十分堪能されたでしょうか?遠方からの出席もいただき、皆様の御協力も得て、無事終えることができましたことを御礼申し上げます。
報告:久保田裕 会員、幹事:久保田裕・大島幸夫・加藤茂外次・東方達志 会員


絵画部会員 島田章三さんが文化功労者に選ばれました

島田章三さんは1933年神奈川県に生まれました。東京芸術大学を卒業後国画会に出品され、 早くから注目を集めました。1957年には<国画賞>を受賞され、1961年には早くも会員と なられ< 国 展 >でも中心となる作家です。1967年には「母と子のスペース」で第11回安井賞を受賞、1980年安田火災東郷青児美術館大賞、1990年宮本三郎記念賞、1999年日本美術院賞、そしてこの度2004年文化功労者顕彰です。文化功労者には、自らの画業はもちろんのこと、愛知県立芸術大学での芸術教育に対する功績も多大であったとのことです。画風は、 キュビスムを日本人の感性で再構築され、確かな構成と、清新な気品にあふれています。豊かなマチエールは現代洋画界で一層輝きを放つています。
図書館にて 80号 2002年作


南房総太平洋岸スケッチ旅行会とスケッチ展

 2004年度第10回国画会絵画部スケッチ旅行会は28名が参加、南房総太海海岸で開催された。南房総海岸は昭和初期から写生のメッカといわれ、多くの画家が投宿を重ねて作品を残している。青木繁の「海の幸」は名作である。
 スケッチの場所仁右衛門島。岩場を打つ怒涛、波しぶきが陽光眩しい空に一気に舞い上がり顔にスケッチブックに吹きつける。吹っ飛びそうんな画用紙を石で押さえながら思い思いのスケッチができた。スケッチの疲れは、鴨川松島が一望できるホテルの温泉で癒し、海の幸を味わいながらの酒の旨さは格別。合評会は全員が自分のスケッチへの思いを一言話し、応答する方法で進められた。写実的に描いた人、波や風の香を心象表現した人、海で拾った海藻や木片を貼り抽象表現した人など様々で、表現の幅の広さを認識し合えたことは大きな収穫だった。一泊二日のスケッチ会を盛会に終えた後、国画会絵画部スケッチ旅行展が、「東京・銀座ぎやらりいサムホール」でオーナーの好意もあって12月に開催された。全員が出品。一人70センチの割り当て壁面に縦、横、斜めに各自自由にレイアウトしたユニークな展示と作品が好評で、500名もの入場者があったことは、スケッチ旅行会の総締め括りとして此の上ない喜びであった。

<記・渡邊眞利会員>
スケッチ旅行展 12月13日〜18日
東京・銀座ぎゃらりいサムホール

銀座で同時多発?

同時多発といってもテロのことではありません。
 ここ数年来、国画会関係者による個展、グループ展などが銀座を中心とする画廊やデパートなどで頻繁に開催され、いずれの会場も活況を呈しています。特に12月には、同時開催の展覧会が10ヵ所以上に及ぶこともあり、まるで銀座界隈のギャラリーを占拠してしまった感すらする時もあります。
 国展の一般出品者から国画会のベテラン、重鎮まで、銀座はどの時期に訪れても関係者の意欲作、力作、話題作などにめぐり合うことができます。また、銀座で活躍する他の絵画団体やフリーの画家などの反響も大きく、国展はエネルギーがあって凄いともっぱらの噂です。
ご興味のある方は是非一度銀座にお出かけください。
 さらに、国展関係者は上野や地方展の発表に留まらず、年間を通して銀座以外にも大阪、京都、神戸、全国地方主要都市などで、発表活動は非常に活発であり、あらためて国展の質的な高さと勢いを感ずるとともに、今後の更なる発展が予想されます。
(文、坂谷和夫絵画部会員)



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