第1回 梅原龍三郎 | 第2回 宇治山哲平 |
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![]() 香月泰男美術館 |
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香月泰男先生の思い出 戦後の昭和23年頃のことでしたが、中学校3年生の私達に美術顧問の教師が「今度、山口県で学生美術展の開催がきまったので絵を描いてこい」と言われ、それぞれ張り切って描いた絵を持ち寄りました。すると「女学校にこの春、香月というシベリヤ帰りの偉い先生が赴任されたので、お前たちの絵を見て戴くことにした」とのこと。香月先生は持ち込まれた作品の全部に眼を通し、その中から5点ほど選ばれ「この絵を描いた生徒達を ちょいと女学校の方へ寄こしなさい」と言われたそうです。 |
兎 油彩(73.0×100.0cm)1939年 香月康夫美術館所蔵
1911 10月25日、山口県大津郡三隅町久原に生まれる。 1931 東京美術学校油絵科に入学、藤島武二氏の教室に学ぶ。 1934 「雪降りの山陰風景」国画会に初入選 1936 東京美術学校卒業。北海道倶知安中学校教諭となる。 1939 梅原龍三郎、福島繁太郎両氏の知遇を得る。「兎」第三回文展特選 1943 山口西部第四部隊入隊。満州興安北省ハイラル地区第9野戦貨物廠営繕係に配属。 1945 シベリヤ抑留、セーヤ収容所に入る。 1947 シベリヤ鉄道でナホトカへ。引揚線・恵山丸で舞鶴へ。復員。 1948 シベリヤ・シリーズの第一作「雨〈牛〉」と「風」を国画会へ 1958 欧州巡回日本現代美術展に近作数点を送る。 1961 東京 ・日本橋高島屋で「香月泰男展」開催。 1962 国画会退会 1963 「久原山」文部省に収蔵される。 1967 画集「シベリヤ」(求龍堂)発刊。東京 ・銀座松屋で「香月泰男展ー戦争 ・虜囚 ・愛」開催。 1969 新潮文芸振興会 の第一回日本芸術大賞を「シベリヤ ・シリーズ」で受賞。 1970 東京藝術大学非常勤講師を委嘱される。 1971 安井賞選考委員を委嘱される。タヒチ島取材旅行 1972 ギリシャ、スペイン、モロッコ、カナリヤ諸島へ取材旅行 1973 タヒチ、ニース、コルシカ、ノルマンディー他、取材旅行 1974 3月8日、心筋梗塞のため自宅で急死。シベリヤ ・シリーズ作品、山口県に寄贈。 2004 朝日新聞社、NHKによる「没後30年香月泰男展〜<私の>シベリヤ、そして<私の>地球」が全国6ヵ所で巡回、開催される。 香月泰男作品所蔵主要美術館一覧(制作年度順)
1936 自画像東 京芸術大学 1939 靴屋 香月泰男美術館 1942 水鏡 東京国立近代美術館 1948 風 東京芸術大学 1948 朝 下関市立美術館 1949 昼 徳島県立近代美術館 1949 朝 香月泰男美術館 1949 枯れた花葉 下関市立美術館 1951 夏 東京都現代美術館 1951 牡蠣とナイフ 静岡県立美術館 1951 人と箱 徳島県立近代美術館 1952 散 愛知県美術館 1954 青年 広島市現代美術館 1958 告別 東京国立近代美術館 1960 みもざと猫 静岡県立美術館 1961 冬田 福岡市美術館 1962 開墾地 香月泰男美術館 1963 久原山 東京国立近代美術館 1963 洗濯帰り 下関市立美術館 1965 漣 北九州市立美術館 1968 芒原 三重県立美術館 1969 雪 東京国立近代美術館 1970 業火 高松市美術館 1972 津和野 ひろしま美術館 1972 日本海 北九州市立美術館 1972 雲 大分市美術館 1974 エトルタ 下関市立美術館
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